熟年離婚後の生活はどうなる!? 退職金と年金分割

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熟年離婚後の生活はどうなる!? 退職金と年金分割

離婚を決めた・・・
そうなったらやる事が、急に増えてきます。
話し合いで済む協議離婚なら問題ないですが、協議離婚となるといろいろと問題がでてきます。

全体の8割と言われる協議離婚ですが、別れる事に同意は得られても、金銭問題は別の話なのです。

離婚時の退職金と年金問題

どうしても揉めてしまう金銭分割。
不動産や預金など、分かりやすい財産分割に対して、よく分からなくてピンとこないのが退職金と年金の分割です。
この分かりにくい二点について、少しお話しましょう。

そもそも年金や退職金は、財産分割の対象になるの?
年金や退職金の概要をお話しします。

退職金に対する考え方

退職金
退職金は給与の一部と考えるのが一般的です。
給与の後払いと捕らえられやすい退職金。
給与の一部であるから、とうぜん財産分割の対象になります。

しかし退職金は給与とは性格の異なる部分があり、退職金はボーナスと同じく、会社に支払いの義務は無く、退職時の経営状態によっては、減額や支払いがされないケースもあるのです。

また義務ではないので、前借のような形での財産分割もできません。
退職まで何年もあるケースでは、退職金を財産分割に当てるのは難しいのです。

確実に退職金が財産分割対象になるのは、退職金の支給が確実になる必要があります。
簡単に言ってしまえば、退職間際の人でないと、退職金は財産分割対象にならないわけですね。

退職金の支給が確実になった場合は婚姻期間の長さが、金額の割合になってきます。
夫が会社で働けるのは、家庭の事を妻が行う内助の功が大きいと考えるため、その会社の勤務期間の内、婚姻期間の割合が何%か?
それがそのまま退職金の%になると言っても、言い過ぎではありません。

退職金が財産分与の対象となった場合

次に、退職金が財産分与の対象となった場合について、詳しく説明しています。
退職金が財産分与には、大きく分けて二通りのケースがあります。
1.退職金が支払われている場合
  • 実質的な婚姻期間(結婚生活)が何年だったのか?
  • 退職金の支給対象になる勤務年数は何年だったのか?
この2つは、いわゆる内助の功の割合の事です。
この割合で、財産分割の割合が決まります。

大事な事は退職金相当額(簡単に言えば現金)が残っているかどうかです。
退職金を貰ったのが随分と前で、離婚時に現金が残っていなければ、財産分割の対象になりにくい、と言うよりもできないのです。

“無い袖は振れない”のではなく、婚姻期間中に使ってしまった場合は、共同で消費したとみなされて、対象にならないと考えられます。
2.退職金の支払いがまだな場合
退職金の支給がほぼ決まっている場合、退職金は財産分割の対象になる可能性は高いです。
ただし、会社の就業規則(退職金支給規定)や支給実態も影響します。

例えば離婚時に年齢が若い場合、就業規定で退職金が支払われると決まっていても、将来的に退職金が支払われるとは限りません。
業績悪化で退職金の減額があるかもしれないし、会社が倒産して退職金が出ないかもしれない。
もちろん景気が良く、現在予想する退職金額よりも多いかもしれない。

ですが、確実に支払われる保証が無いので、得るかどうか分からないお金を、財産分割に充てるのは不公平と考えるからです。
このため裁判所も若年者の退職金は、財産分割に認めない傾向にあります。

例外は若くても退職が決まっていて、退職金が近いうちに支払われる場合です。
この場合は勤続年数も短いため、退職金も小額となってしまうため、とうぜん財産分割の金額も、少なくなってしまいます。

退職金からの財産分割算定(予測)はどうするの?

退職金の算定は判例によって様々です。
例えば、すでに別居していて、自己理由で退職した場合。
この場合は退職金相当額から婚姻前の労働分を差し引いた金額が対象になります。

簡単に言えば今退職して、退職金はいくらになるのか?その金額を基礎に考えます。
式にすると [勤務年数(40年)-婚姻前労働分(20年)=退職金分割金]になり、この金額の50%(離婚理由によって変動するかも)が実際の財産分割に当たります。

まだ退職年齢に届かず、将来退職金が支払われると考えて計算した場合は、こうなります。
ちょっと難しい言い方ですが[受給予定退職金から婚姻前労働分と別居後労働分を差し引き、中間利息控除し口頭弁論終結時の算定]と言った考え方です。

小難しい言い方ですが、簡単に言えば退職金を受け取るのはまだ先の話ですが、離婚が成立したときに先にした考え方で退職金分割金を計算して、現在は受け取っていない分割金を受け取ろうといった考え方です。
この場合、実際はお金を受け取っていないので、先払いの分だけ利息を差し引かれます。

もっと簡単に言えば、予想した退職金分割金を先払いしてもらうので、利息を引かれてしまう、言わば損をしてしまうわけですね。
損をするからメリットの無い話に見えますが、後に支払って貰える保証もないので、確実に退職金分担金を受け取れるメリットがあります。

年金の財産分割

年金
年金の財産分割には年金分割制度が適応されます。
これは、平成16年に施工された、比較的新しい制度で、離婚後に離婚相手の年金保険料の納付実績の一部を分割して、もう片方の配偶者(この場合は貴女です)が受け取れる制度です。

誤解が多いこの制度、対象は厚生年金と共済年金に限定されます。
そうです、一番多い対象者の基礎年金とも呼ばれる国民年金は非対応なのですね。
おまけに婚姻前の期間の部分は反映されません。
つまり、公務員限定の保障です。

個人的な意見ですが、なんて不平等な制度なのでしょうか?
ですのでこの項目は、共済年金と厚生年金対象者。
元夫が公務員の方だけ読んでください。

年金分割制度ってなんですか?

簡単に言ってしまえば、熟年離婚の不公平感をなくす制度です。
もともとは離婚後夫側しか年金が満額受給できませんでした。
このため離婚を考えていても生活が成り立たないと、老後を我慢する女性が実態調査で明らかになり、平等に分担しようと制定された制度です。

年金分割は2種類

合意分割と3号分割と呼ばれる形式があります。
詳しくは下記の通りです。
合意分割
離婚日:平成19年4月1日以後
夫婦間の合意:按分割合[(読み あんぶんぶんかつ)分割や分割割合]について必要。
合意できない場合は、裁判で分割割合を決める。
分割対象期間:婚姻期間(平成19年4月1日以前を含む)
分割割合:1/2が上限
請求期限;原則離婚日から2年以内
対象者:第3号被保険者だけでなく、第1号被保険者・第2号被保険者でも可能
3号分割
離婚日:平成20年4月1日以後
夫婦間の合意:不要
分割対象期間:平成20年4月1日以降の離婚期間の内、第3号被保険者であった期間
分割割合:1/2
請求期間:原則離婚日の翌日から2年以内
対象者:第3号被保険者
被保険者の号数の意味
第1号被保険者
:第2号被保険者・第3号被保険者に成らない対象者のこと。
第2号被保険者
:厚生年金・共済年金加入者のこと。
第3号被保険者
:第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者のこと。

テキスト

年金分割は4種類

合意分割(夫婦間合意による離婚)の場合
夫婦間の分割合意が成立した事を証明する事で、年金分割手続きが可能です。
具体的に言うと、
a 双方の当事者か代理人が分割合意を示した書類を、年金事務所の窓口に提出。
b 合意内容を[公正証書謄本][抄録謄本(しょうほんとうほん)][公証人認証された私署証書]いずれかを添付する。
各種謄本の意味
公正証書
遺言など様々な形態で使われる証書。
遺言で使われるように作成に資格は必要ない。
双方または代理人と共に、公証人役場にて認証をして貰う。
裁判所の確定判決と同等の効力がある。

抄録謄本
年金に特化した証書、公正証書の年金部分だけを抜粋した証書。

私署証書
作成者が署名押印した証書。
(印鑑の変わりに、「押印の代わりに自書する」と署名を求められるケースを見聞きしますが、印鑑を押す事と同じ効力が発生するので、注意が必要です)

これら書類が用意できない場合は、家庭裁判所での離婚調停が必要になります。 
離婚調停の場合
離婚調停の場で按分割合を決めることが出来ます。
離婚調停後に按分割合の調停をおこす事も出来ます。
審判手続きの場合
合意が成立できす、按分調停も物別れで不成立になった場合、審判手続きに移行することになります。
離婚訴訟時の附帯処分手続きの場合
離婚訴訟(正式な裁判)になった場合、附帯処分を付随して年金分割割合を決定するように、請求することが出来ます。
附帯処分の意味
離婚手続きと一緒に、養育費や財産分与・年金分割を請求する行為の事。
親権請求等も含まれます。
3号分割の場合
双方の合意は不要ですので、分割手続きをする事により、年金分割を受ける事が出来ます。

合意分割よりも3号分割の方が、ハードルが低いですね。
そのかわり3号分割は、離婚者本人が申請しなければいけません。

年金分割手続きについて

対象になる役所は請求者(貴女)の現住所を管轄する、日本年金機構(年金事務所)に標準報酬改定請求書(日本年金機構のホームページにPDF形式の書式があります。)を、提出して請求します。

この時に年金手帳・離婚届・戸籍証書が必要になります。(3号分割の場合はこれだけです)
合意離婚の場合は別途、按分割合を定めた公正証書・調停証書・確定判決などを提出します。

テキスト
標準報酬改定請求書
請求期限は記載通り離婚日から2年間で共通です。
分割請求は原則不可能ですので、注意が必要です。

年金分割の請求を行うと、按分割合に基づいた改定が行われます。
その後に改定後の保険料納付記録が双方に通知されます。
通知が来れば手続きはすべて終了です。

標準報酬改定請求書PDFこちら

 退職金と年金分割まとめ

お金
聞き慣れない退職金と年金の分割。
初耳である事が多いのと同時に、専門用語も多かったと思います。
各解説は分かりやすく噛み砕いた文章や解釈で書いたつもりですが、不安になる方は、さらに御自分で調べることも大事ですね。

離婚という事は、結婚生活の最終選択で、できる事なら皆さんが幸せな結婚生活を過ごされる事を願っています。
ですが・・・万が一離婚という選択をされた場合に、貴女がより自分らしく生きられる為の、僅かでも手伝いになれば幸いです。

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